桜だなあ、新緑だなあ、紫陽花だなあと思っていたら、気がついたら、何時からでもビールを飲まざる得ないそんな気温に包まれるようになってしまいました。暑いのは大好きなのですが、年を追うごとにしんどさが増して、でも、エアコンに浸っているとそれはそれで体調が崩すという悪循環に陥りそうなので、ビールを扇風機とこの音楽で我慢しようかと思います。まずは、どうしてか、この最初のテーマを聞いた瞬間から、背筋がピンと伸びて、暑さを忘れてしまうんですよね。なんでだろう。
「Cancellation」ジャッキー・マクリーン / アルバム It's Time アルバム全体を通して、シャキッとします。このアルバムハービー・ハンコックはかっこいいです。ホントに。
次は、涼しげの権化とも言えるこの人を。
ギターとベースとトランペットのトリオで、チェットお得意のスキャットが脱力しすぎていて、何もしたくなくなる弛緩するための音楽です。でも、これは涼しいです。前のジャッキー・マクレーンとは正反対ですが。
次は名盤中の名盤のこのアルバムから
「OBI」トゥーツ・シールマンス / アルバム The Brasil Projectこの曲は最初にたっぷりとトゥーツのハーモニカのソロを堪能できるそれだけでも涼しいのだが、ジャヴァンが歌い始めると温度がさらに2度くらい下がる。何とも気持ちい。後半ちょっと不思議な展開をして、それがまた涼しさを増す。このアルバムは通してとにかく涼しい。他にもジャズからゲイリー・バートンとチック・コリアとかESTとかの北欧系とか涼しげな音楽は結構あるのだけれど、最後は少し趣向を変えて、この人はブルーズをやっても涼しげなんですよね。なんでだか、僕はいつも真夜中に聞きたくなります。日本ではあまり聞かれてないように思いますけど、このギターとこの声は涼しさが必要な時には何にもかえがたいです。
「Goodnight Irene」ケリー・ジョー・フェルプス / アルバム Shine Eyed Mister Zen最後にいつも通り、僕の曲を。あんまり涼しげな曲はないのですが、ケリーが亡くなった時に彼に捧げて書いたこの曲とオランダ人のFrans Zimmermanが素晴らしいハーモニカを吹いてくれたこの曲を。
For Kelly Joe 作詞作曲:金子茶琳
birds chirping
morning shine
moist wind
swaying plains
faint rain
just ordinary hometown in orange
With six strings and a bottle neck he can paint
beer bubbling
fighting, shouting and laughing
Moon light dancing
and stars bring
a sweet lady's peaceful sleeping
never, without raising his voice he can sing
ah, ah
I miss you Kelly Joe
Every single sound from his hands
with some band or without a band
10 dollars guitar or famous brands
No one can make a guitar talk
just like Kelly Joe
I miss you Kelly Joe
romantic words
a grandson's tear
flash of anger
smiling Grim Reaper
back of a sexy girl
lust for pearl
With six strings and a bottle neck he can share
ケリー・ジョーに捧ぐ
朝焼け
鳥のさえずり
湿った風
揺れる平原
かすかな雨
オレンジ色に染まったいつもの故郷
6本の弦とボトルネックで彼は描ける
ビールの泡立ち
喧嘩して、叫んで、笑って
月光のダンス
星が連れてくる
優しい女性の安らかな眠り
声を張り上げずとも彼は歌える
ああ
ケリー・ジョーが恋しい
彼の手から出るすべて音
バンドを組んでも組まなくても
10ドルのギターだろうと有名なブランドだろうと
誰もケリー・ジョーのようにギターを語らせることはできない
ケリー・ジョーが恋しい
ロマンチックな言葉
孫の涙
怒りの閃光
微笑む死神
セクシーガールの背中
真珠への欲望
6本の弦とボトルネックで彼は共有できる
wating for the sunrise
The road by the sea, no gas in tank
To the sound of wave we went down
There was nothing but sands
Far away ship lights were swaying in my hands
Smaller fire and few more beer
I can feel you near
There is nothing but love
One by one stars are fading above
We are waiting for the sun rise
We are hearing the breath of sky
We are feeling the heat from far away
We are here and we are there
We are past and we are future
Everything is linked to forever
The road with no sign, no gas in tank
To the sound of songs we went down
There were people in drunk
With three stings guitars they sang and danced
I am awake, snoring from everywhere
from your eyes little tears
There is nothing but love
One by one stars are fading above
We are waiting for the sun rise
We are hearing the breath of sky
We are feeling the heat from far away
We are here and we are there
We are past and we are future
Everything is linked to forever
日の出を待っている
海沿いの道、ガソリンタンクは空
波の音を頼りに道を降りた
そこにあるのは砂だけ
遥かなる船の灯が私の手の中で揺れる
火は小さくなり ビールは後ちょっと
君が近くに感じられる
愛以外に何もない
空では星が一つずつ消えていく
私たちは日の出を待っている
空の息づかいが聞こえてくる
遥か遠くからの熱気を感じる
私たちはここにいて、そこにいて
私たちは過去であり、私たちは未来である
すべては永遠へとつながっている
看板のない道、ガソリンタンクは空
歌声にひきよせられて道を降りた
酔っぱらった人達
3本弦のギターで歌って踊ってた
目が覚めると あちこちからいびきが聞こえてくる
あなたの目から小さな涙が
愛以外に何もない
空では星が一つずつ消えていく
私たちは日の出を待っている
空の息づかいが聞こえてくる
遥か遠くからの熱気を感じる
私たちはここにいて、そこにいて
私たちは過去であり、私たちは未来である
すべては永遠へとつながっている
こちらもオススメ
音楽好きのつぶやきVol.6 Rudolph the Red-Nosed Reindeer - クリスタルズ
クリスマスにはクリスマスソングが必要だ。とろけるようなロマンチックなクリスマスソングがかかっていない車には恋人と乗るの粋じゃない。とびきりハッピーなクリスマスソングがかからないクリスマス・パーティーなんてクリスマスパーティーとは言えない。みんなが知ってるクリスマスソングがかかってるからクリスマスプレゼントを買いたくなる。クリスマスソングは実に実用的な音楽だ。クリスマスを彩るためだけに存在する。僕にとってクリスマスの時期はたいていこの“A Christmas Gift For You”をかけていれば事足りる ...
音楽好きのつぶやきVol.8 Tears of Rage - ザ・バンド
伝説と呼ばれるようなバンドにいた人がバンドから解放された時に生み出す曲が僕は結構好きだ。何か新しいことをやらなきゃ、前作と同じことをやっちゃダメだ。そんな強迫観念は呪いとなってその人をむしばみ、やがて、その人の中から染み出てくるような音楽ではなく、何かたくらみのような上っ面だけの音楽しか出てこなくなる。そんな呪いが解けたとき、ただやりたい音楽ができる魂の喜びや心のほぐれが自然と声や曲を豊かにする。今日はそんな曲を紹介したい。 まずは、Genesisから解放されたPeter Gabrielのこの曲を。 Ap ...
音楽好きのつぶやきVol.11 Sunny Afternoon - キンクス
オルタナティブということではないんだけど、その時代のメインの音とパラレルにちょっとずれている音楽のほうが時代のど真ん中の音楽より好きだったりする。多分、僕が天邪鬼だからだ。今回は3大〇〇から漏れちゃってるけど、「俺的には1番」という音楽を紹介したい。 3大UKロックバンド(The Beatles, The Rolling Stones, The Who) ビートルズマニアやストーンズファン、フーの信望者には結構出会うが、キンクスフリークに会うことは滅多にない。でも、僕はThe Kinksが大好きだ。 ...
音楽好きのつぶやきVol.10 That’s how strong my love is - オーティス・レディング
ブラジル音楽に興味を持ったときくらいからか、膨大な音楽の海を前にして途方に暮れるようになった。現代の新しい音楽との出会いを探す暇がない。。。ただ年取っただけかもしれない。まあ、100年前の音楽でも初めて聴くときは自分にとっては新しい音楽だから、別に新曲を追い求める必要ないとも言える。村上春樹さんの「ノルウェーの森」に50年以上前に書かれた小説しか読まないという先輩が出てきた気がする。わからなくもないが、やっぱり新しい音楽との出会いは格別にワクワクするし、ピーター・バラカンさんのラジオは毎週聞いている。と、 ...
音楽好きのつぶやきVol.19 Bang Bang - ジョー・キューバ
暑い!いや、熱い!基本、自転車移動なので、この時期は基本、高校球児かというくらい日焼けしているのだが、先日、昼間に自転車で移動した時、あまりの暑さに脳みそがとけそうになった。。。息を吸えど、吸えど、空気が入ってこない感じ。で、こんな時はもう涼しげな音楽を聞いてもダメだと思い、脳みそが溶ける音楽を頭に浮かべつづけたのです。今回はその時に思い浮かんだ曲を紹介します。 まずはこのバックビートに打たれるたびに、体中のねじがちょっとずつ緩んでいくような、まさに脳みそを溶かすこの曲から。 しかし、Don Drumm ...
音楽好きのつぶやきVol.9 Jackie-ing - セロニアス・モンク
Thelonious Monkの前にも後にもThelonious Monkの音は鳴らない。彼の音楽はJazzだとかBe-bopだとかではなくThelonious Monkだ。 たいていの巨人はたくさんのフォロワーを生み出す。だが、どことも陸続きでない、離れ小島のような巨人もいる。その音楽はものすごく多くの人を、そして、ミュージシャンを虜にするのに、それに続く人がいない。というか、続く方法がわからない、もしくは、続けることに意味が見いだせない、そんな感じなのだろうか。 Thelonious Monkはまさに ...